『除夜の鐘』


ゴォーン ゴォーン

「コレ聞くと、ホントに今年も終わりなんだな〜って感じるね」
コタツに入って、除夜の鐘のTV中継を見ながら、青子が言う。
「賑やかなカウントダウンもいいけど、こーゆーのも悪くないよな」
「ん〜、でも快斗には物足りないんじゃない? マジックのショーが出来ないもの」
「ま、確かに除夜の鐘バックに派手なショーは無理だよな。でもさ」
「なぁに?」
「今日は青子だけのショーだから、たまにはいーんじゃねーか」
鐘の音に合わせて、花を一輪ずつ出して行く。

ゴォーン ポンッ!

ゴォーン ポンッ!

ゴォーン ポンッ!

「うわぁ〜vv」
あっという間にコタツの回りは花畑。

鐘の音が終わりに近づいた頃。
目をキラキラと輝かせて一面の花に見入ってる青子を引き寄せて。
「ほら、これがラスト♪」
開いた目を更に大きくする、その様を微笑ましく見つめる。

108つ目の鐘の音と0時ジャストの時計の音をバックに。

互いの口の中で新年の挨拶を交わした。


A HAPPY NEW YEAR!




2004年正月企画として書いたものです。
途中からとは言え、鐘の音にあわせて出した花、そんなにネタ仕込めるのか!?
そんなツッコミが来そうです(滝汗)