『それでも lucky X’mas day』











「ったく、何考えてんだよ」


おでこに手を当てる。


「微妙なトコだな。体温計どこだ?」
「熱はないよ。ちゃんと計ったもん。薬も飲んだし、大丈夫だって」

「何度だ?」
「7度3分」

「ホントだろうな?」
「疑り深いなぁ〜。ほら」


体温計の数字は確かにそれ。

布団に押し込むつもりだったが、平気だから、と聞き入れない。


「微熱だもん。寝込むほどじゃないよ?」


そうは言っても、熱は熱。


赤い顔して少しだるそうな表情で、正直色んな意味でこっちもヤバい。

病人相手によからぬ妄想抱きそうで、自慢のポーカーフェイスがフル稼動する。



「あ、でも、快斗にうつっちゃうね。どうしよう・・・」



んなもん、喜んで貰いますけど。




「!!」




青子の今の状態と、頭の中の妄想。

ぐるぐると思考が廻り、一つの策が浮かぶ。



「なぁ、クリスマスプレゼントだけどさ」
「あ、ちゃんとあるよ。ちょっと待って」

「それは後でいいから、今欲しいモンあんだけど」
「え? 何?」

「青子の風邪、くれよ」
「え? 風邪・・・、んっ」



青子の風邪を全部くれよ。


それくらいなら、してもいいよな。













風邪と仕事でアンラッキーなクスリマス。


それでも、こんな風なら、充分に幸せだよな。













突貫工事万歳!
どこが“あだると”なんだ???(逃亡します/笑)