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幸せをあげたい。
いつも快斗が青子にくれる幸せのお礼をしたい。
何がいい?
何をしたら想いが届く?
どんなに頑張っても、快斗には敵わないって判ってるけど。
でも、青子だってあげたいんだよ。
ねぇ。
何がいいのかな?
Clover
幸せというカタチのないものを象徴すると言われている四葉のクローバー。
さんざん悩んだ結果、そのクローバーをたくさんあげるコトにした。
学校や買物の行き帰り、休みの日。
思い付くところはすべて探した。
もちろん快斗も一緒だけど、探す理由は何も言わずに、ただもくもくと道端を見て廻った。
快斗は、そう簡単に見つかるワケないとか、ひとつあればイイじゃん、とか、色々言ってたけど。
だめなんだよ。
ひとつじゃ少ないの。
青子が伝えたい想いはひとつなんかじゃ足りないの。
丸々1ヶ月かけて、青子の手元に来たのはたったの2つ。
誕生日は明日なのにたったの2つ。
「2つしかないなんて・・・」
21日まであと3時間。
仕事を終えた快斗が青子の家に来るまであと1時間。
足りない。
これじゃ足りない。
ない知恵を絞って、閃いたのがイラスト。
家中の白い紙を漁って、色鉛筆で紙いっぱいに描いてみた。
1枚、2枚、3枚。
大丈夫、まだ時間がある。
あと少しいける。
4枚、5枚。
5枚書き終えたところで、テラスに物音がした。
あと2時間。
0時を待って、快斗の頭上にクローバーを降らせる。
本物2枚とイラスト5枚。
7枚のクローバー。
青子の想い、伝わるといいな。
「おかえりなさい!」
ふっふっふ。
突貫工事駄ぜぃ!
と、言うワケで逃亡しますので!(爆)
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