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『バレンタインの事情』
〜side 青子〜
快斗の仕事は、イベントに重なる事が多い。
今回もバレンタインウィークと名のついた展示会が2つ開かれる。
そのうちの一つは、3日前にKIDの餌食となった。
残りの一つが、あろうことか14日当日。
展示と仕掛けと、その他モロモロの事情で、どうしても当日にしか出来ないんだって。
さっさと終わらせるために、ひねりにひねった予告状を出したらしいんだけど、警察だってバカじゃない。
それほど難しいなら、最初から自分たちで解く事を放棄する。
だって、目と鼻の先に、名探偵が2人もいるんだもの。
今回白羽の矢が立ったのは、東の名探偵と呼ばれる御仁。
あーあ、これじゃ、絶対に長引いちゃうね〜。
快斗にそう言ったら、うるさいってスネちゃった。
大丈夫だよ。
どんなに遅くなっても、たとえ日付けが変わったとしても、ちゃんと待ってるから。
夜更かしはあまり得意じゃないけど、頑張って起きてるから。
そりゃ、14日のうちに渡したいけれどね。
快斗が来てくれれば、それだけで良いから。
だから、絶対に無茶はしないで。
怪我なんかしたら、許さないんだから。
予告状の時間まで、あと数分。
無事に終わりますように・・・・・・・
〜side 快斗〜
KIDの獲物。
庶民にはおおよそ手には入らないレベルの宝石。
展示会の類でしかお目にかかれないような、高価なもの。
しかも、モノが宝石だけに、その展示会も季節のイベントに集中される。
結果として、黒羽快斗が恋人と過ごしたいと思うイベント全てがKIDに重なってしまう。
快斗の事情を優先したい。
されどKIDの事情も捨てられない。
激しいジレンマの中、結局、KIDを取ってしまう。
今年のバレンタインも、また青子を一人にしなくてはならない。
しかも立続けに2本。
下準備で多忙を極め、青子と一緒にいる時間がないに等しい。
最初のヤツはともかく、当日に重なった方は、超特急で終わらせて、何としても時間を作らねば。
難易度MAXで出してやると意気込んで練り上げた予告状。
最近の警察ってのは、他力本願を隠さなくなったのか!
助っ人に嫌味な探偵駆り出しやがって。
しかも青子経由で聞いた、ヤツの宣戦布告。
冗談じゃねぇぞ!
さっさと終わらせたいんだっての!
てめぇも、ほいほいと首突っ込んでねぇで、傍観してろってんだ。
予告状の時間まで、あと数分。
絶対に負けねぇ!!
2005年2月14〜3月14日にかけて開催された『快青祭』に投稿した作品です。
バレンタインでお話書くなら、もっと内容のあるモノにしなさいよね〜というツッコミはナシという事で(笑)
ちなみに、このお祭りに宝探しという企画がありまして、そっちにも一つ作品を出しました。
こちらはこのページにリンクを貼っております。
タイトルの周辺を叩いてみて下さいませvv
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