君に愛されてる事・・・



長かった授業が終わり、生徒達は帰り支度を始めていた。
これから掃除があるものは文句を言っていた
「なんで今日に限って掃除当番なんだよ〜・・・」
はぁ…と大きな溜息をついていた
その隣にいた友人は肩をポンポンと叩きながら慰めていた。
「んな気ぃ落すなよ、すぐに終るんだろ?」
「アホ・・・あの先行だぜ?んな簡単に終るかよ・・・」
「だ、だな・・・」
友人の言葉に同感した
「だから俺と替れーっ!」
「誰が替るかよっ!真面目にやれーっ!」
ギャーギャー言いながら叫んでいた
それを恵子と青子は見ていた。
「男子って元気だよね〜 さっきまであんなに授業中寝てたのに」
「きっとその後の体力を蓄えてたのよ」
「なるほどね〜」
青子はクスッと笑った
だが1人だけまだ眠りに入ったままの男子がいた
青子の隣の席の快斗だった その姿を見ながら恵子は言った
「良く寝るわね・・・青子のダンナ・・・」
「な、なに言ってるのよ!ダンナじゃないもん!」
「いいじゃない〜♪ 付き合ってるんでしょ〜?」
「そうだけど・・・」
恵子はうりうりと笑いながら青子の頬を押していた
青子は頬を膨らませて真っ赤にしていた
すると快斗はムクッと起きた
「あー・・・良く寝た・・・」
はぁーと欠伸をしなから背伸びする
いきなり起きたので青子はびっくりした
「ちょ、ちょっと!いきなり起きないでよ!びっくりするじゃない!」
「んなもん人が起きようが起きまい人の勝手だろ?」
「そうだけど・・・でもっ!」
「“でも”じゃねーよ」
快斗は青子の額にパシッとデコピンをした
「痛いじゃない〜!」
「んな怒んな」
そう言うと快斗は席を立ち、男子のもとに歩いて行った
すると快斗と入れ替わる様に女子が入って来た
「青子ー恵子聞いてー!」
「どうしたの由菜?」
「なんかあったの?」
「もうおお有り!放課後一緒に話さない?」
「私はいいけど・・・」
恵子はそう言って青子の方を見た
「えっ…なに?どうしたの??」
青子はキョロキョロと二人をみる
「だって青子、快斗くんと帰るんでしょ?」
「う、うん・・・でも大丈夫だよ!」
二人は絶対大丈夫な訳がないと思った。
快斗ならそのまま連れて帰ると思った。
青子はその子とを判ってない・・・
「快斗くんに聞いてからにしてからの方が良いんじゃない?」
「どうして青子が快斗に一々許可取らなきゃいけないの?」
青子は首を傾げながら言った
「だって・・・」
「ね〜・・・」
「何よー二人してぇー!」
青子は頬を膨らませて不満な顔をしていた
すると快斗は用が済んだのか戻って来た
青子は戻って来た快斗の方を向いてムッと睨む・・・
睨んでくる青子に快斗は何言ったか・・・俺・・・という顔をしていた・・・
「ど、どうしたんだよ・・・青子・・・?」
片言に質問してみる
「どうして青子が快斗の許可貰わなきゃいけないの!」
「はぁ・・・?何言ってんだよ」
いきなりとんでもない事を言われびっくりする快斗
しかし青子の後ろにいた恵子達をみると・・・
(恵子のヤツ・・・また余計な事青子に言ったな・・・)
すぐに判った
はぁ・・・と溜息をついた
その顔は如何にも不機嫌そうな顔をしていた。
そして青子に言った
「なんで俺が青子を拘束しなきゃなんねーんだよ?俺は犯罪者か」
「だ、だってっ!」
「好きにすれば良いだろ?」
「あ・・・うん・・・」
快斗にそこまで言われると・・・ちょっと悲しくなった・・・
(少しは…言ってくれても・・・うん?・・・青子って・・・本当に快斗の彼女なのかな・・・?)
青子は不安になる…本当に青子で良いのかと・・・
しかし青子はこう思っていても快斗は言っている言葉と内心は全く違う・・・
(そりゃ出来るんだったら拘束してぇーよっ!出来るならやらせろ!犯罪者でもいくらでもなってやるってーの!)
そしてまた大きな溜息を付いた
青子の為なら犯罪者でも何だってなってやる・・・青子が望むもの全てに・・・
でも今は・・・青子の隣にいたい・・・この隣を誰にも渡したくなくて・・・
「じゃあ青子、恵子達とお話してから帰るね…」
そう言った青子の表情は何処か淋しげだった
(・・・ったくんな顔すんなよ・・・)
「俺も放課後用事あんだ」
「えっ?」
「図書室で調べものがあってな」
「そ、そうなの?」
「ああ」
「・・・じゃあ話終わった行ってもいい・・・?」
「まぁ・・・帰ってなかったらな」
「うんっ!」
青子はニッコリと笑った
それを見て快斗はホッとしたが、恵子達に気付き失敗したと思った
それを見ていた二人はにんまりと笑い席から去って行った
「いいもの見せてくれてありがとうv」
「うっせぇー!」
最大の不覚と思った
自慢のポーカーフェイスは何処にやら…青子の前では形無しである
「どうしたの?」
それに全く気付いていない青子は快斗に質問してくる
「なんでもねぇーよ・・・」
拗ねた様に体の向きを変え、机に体を寝かせた
「ねぇー快斗?」
その後快斗は帰りの会が終るまで青子に反応せず、青子は少し膨れていた。
 
 

帰りの会が終り、帰る生徒達はすぐに帰って行った
掃除で残る生徒、放課後会話をする生徒、色々な生徒達がいた
青子達は放課後話すために残っていた
掃除の邪魔にならない様に廊下で話していた
「話しが楽しみ〜v」
「ねぇー!早く掃除終らないかな〜」
「終わったらじっくり話してあげるわよ〜」
笑いながら話していた。
そんな風に話している青子を見ながら快斗は何処で時間を潰すか考えていた
図書室なんて嘘の嘘…誰があんなとこ行くかよ…という感じだった
青子はそんな快斗の所に駆寄って行き、肩を叩いた
「終わったら図書室行くからね!」
「いたらなって言ってるだろ?」
「判ってるよv」
青子はニッコリ笑った
この笑顔は絶対待っているという確信のある笑顔だった
(すげぇーな・・・青子・・・)
でもこの笑顔が好きなんだ・・・
快斗は暫くの間屋上で時間を潰すか・・・と思った
そしてその場から去って行った
そんな快斗を青子は見ていた
それを見ていた恵子達は笑っていた
「なに見詰めちゃってるのよ〜v やけるわね!」
「でもいるかどうか判らないって言ってたよね?」
「うん。でも快斗はなんか待っててくれそうな気がするの。
後、多分図書室じゃなくて屋上行ったと思うよ」
青子はくるっと向きを変えて教室の中に入って行こうとしたが、二人が着いてこない
「どうしたの?早くお話ししよう?」
恵子と由菜は青子に聞いた
「どうして判るの?どうして待ってると思うの?」
青子は暫く考え口を開いた
「判るのは長い間ずっと一緒にいるからで・・・待ってると思うのは・・・快斗だからかな?」
「凄いね、青子」
「そう?」
「何言ってるのよ、由菜!快斗くんと青子だよ?
お互い知らない事はないって感じじゃない?」
「そうだねv」
「ちょ、ちょっとっ!!二人とも勝手決めないでよぉー」
青子は少し頬を赤く染めながら言った
「照れないの青子v快斗くんの事全部知ってるんでしょ〜?」
「そ、そんな事・・・ない・・・よ・・・快斗の知らない所・・・一杯あって・・・それが・・・不安で・・・」
快斗は青子に絶対隠し事してる…でも人は誰だって隠し事の一つや二つ・・・
でも・・・知らない部分が多過ぎて・・・手が届かない知らない人に見える・・・
それが・・・怖い・・・
遠くに行かないで…
思わずスカートをギュッと握った
「青子・・・大丈夫・・・?」
心配そうに見る恵子と由菜
そんな二人を見て青子は微笑んだ
「大丈夫だよ!さぁお話しよう?」
「では大いに語りますか?」
「語りましょー!」
三人は教室の中に入って行った
一方、快斗の方は屋上の一番高い所で寝ていた
ボーッと空を眺めていた
風で雲が移動しているのがよく判る・・・
その風はそっと髪を撫でてくれる様に優しく吹いていた
それが気持ち良くて…瞳を閉じる
こんな風な青子が撫でてくれた時があった
 
 

青子が快斗の部屋に遊びにきた時の事だった
 
 

快斗がベッドの上で横になっていた時青子は下で本を読んでいた
その時は眠気と必死に戦っていた
訳は簡単・・・
ただ…彼女の後ろ姿を見ていたかった
小さな体なのに芯は強くて決して弱音を吐かない・・・でも・・・だからこそ守ってやりたい・・・
この腕の中で抱き締めてやりたい・・・
思わず青子に手を伸ばすとその手が青子の髪に触れた
それに気付いたのか青子は振り向いた
「快斗?」
その時は既に瞼が限界だった・・・目を開けてられない・・・
青子はそんな俺の手をそっと握りしめてくれた
「疲れてるなら寝ていいんだよ・・・?」
そしてそっと髪を撫でてくれた
それが凄く気持ち良くて・・・
そっと目を閉じた
 
 
 

あの時の青子の手の暖かさが丁度良くて・・・
だからこの頃髪を撫でられるのが好きで寝たふりをしている時が多い
青子はそれでも撫でてくれる
ふと思った
こんな風に何もしなくても考える事は・・・やはり青子の事・・・
青子の事がよっぽど好きなんだと思った
青子なしの人生なんて考えられなかった
青子が生きているから俺も生きていられる・・・
もし…青子がいなかったら・・・きっと俺も存在していなかっただろう・・・
「情けねぇ…」
青子なしなら何もできない自分がいる
俺だけなら・・・無力なんだ・・・だから・・・君を守るために俺を強くして…
強く出来るのは青子だけだから・・・
考え事をしていると随分時間が過ぎていた
「青子のヤツまだ話してんのか」
女の話はなげぇーなと思いながら体を起し、立上がった
そして校内の方に歩き始めて行った
そして教室までくるとまだ話声が聞こえた
しかも盛り上がっている・・・
思わず溜息・・・
いつになったら帰れるのだろうかと思う
その時・・・
 
 

「青子ってさぁ、快斗くんともうしたの?」
 
 

とんでもない言葉が出て来た話していた青子も固まったが、
廊下にいた快斗も固まっていた
 
 

「急になんでそんな話しになるのよぉー!」
 
 

(そうだ!そうだ!)
 
 

快斗は声に出して言えないので内心叫んでいた
「だって気になるんだもんvちょっとだけ教えてv」
由菜が青子にお願いする。
青子の方は顔を真っ赤にしてゆでダコ状態・・・・
「だ、だってぇ・・・そんなこと・・・」
「今は快斗くんいないから大丈夫だよvね?」
「でもぉ・・・」
青子は手をもじもじさせながら下を向いていた。
「じゃぁ・・・ちょっとだけ・・・だよ・・・?」
「うんっ!」
どうやら青子は話す事にしたらしい・・・
一体どこまで話す気なんだかと思いながら快斗は不安そうに見ていた。
「う〜ん・・・と・・・その・・・青子・・・は快斗と・・・は・・・」
よっぽど恥ずかしいらしくなかなか言葉が続かない・・・
恵子と由菜は青子を見詰めていた。
こんな風にしているは青子はじらっれたいけど・・・可愛くて仕方がなかった。
「ね・・・・ねま・・・したぁ・・・・」
言い終わると顔を両手でバッと隠して別な方を向いてしまった。
「青子、もう大丈夫なにも聞かないから!」
「そうだよ!」
「ホ・・・・ホント・・・・?」
「うんv」
二人はそれを聞けて満足のようだった。
そして恵子はハッとなにか気づいたのか青子に問いかけた。
「ねぇ青子、今幸せ?」
恵子の質問に青子は恵子たちの方を向いた。
「うん・・・とっても幸せ・・・。快斗の傍に居られること・・・
快斗が好きで居てくれること・・・。快斗が・・・大好き・・・・」
 
 

ガタンッ!!!!
 

廊下の方でもの音がした。
三人はビクッと身体を振るわせた。
「も、もしかして・・・快斗・・・???」
青子は焦って立ち上がった。
「大丈夫だよ、きっと掃除用具が倒れただけだよ。」
「そ、そうなのかな・・・?」
青子は不安そうに廊下を見に行った。
「誰も居ないでしょ?」
「うん・・・」
青子は教室に戻って行った。
 
 

廊下にいた快斗急いで隣にクラスに隠れた。
そして真っ赤な顔を手で押さえながら座り込んでいた。
嬉しすぎた・・・・青子に愛させれて居ることを知って・・・
青子の口から出た「大好き」という一言が・・・
嬉しすぎて・・・死んでしまいたい・・・
口元の緩みが止まらない・・・
「青子・・・俺も・・・大好きだ・・・」
自然に言葉が零れた・・・
 
 

「青子、帰るぞ」
「あ、快斗!」
青子は真っ赤にして快斗を見ていた・・・
「どうしたんだよ?」
「な、なんでもない・・・」
青子は鞄を取り、快斗の方に歩いて行った。
「じゃぁね、恵子、由菜!」
「うん、またねv」
「また来週〜〜v」
二人は手を振って快斗と青子を見送った。
 
 

快斗と青子は学校の外に出るといつもの様に歩いていた。
だが・・・いつもと違う・・・
お互い距離が微妙に空いていて会話がない・・・
(なんな事話した後に話なんて出来ないっ////)
青子が真っ赤なまま下を向いていた時快斗に手を握られた。
「なに下向いてんだよ?転ぶぞ?」
「こ、転ばないもんっ!!!」
快斗に握られた手は暖かくて大きくて・・・
青子もそっと握り返し、青子は快斗を見詰めた。
だが快斗の姿を見て青子はびっくりしていた。
快斗が顔も耳も真っ赤にしているのである。
「か、かいと!!!どうしたの!!大丈夫???」
「大丈夫だって・・・気にすんなって・・・」
「でもっ!」
 
 

そのまま青子の家に着くまでこんな状態だった。
 

嬉しすぎて・・・隠すことが出来なかったこの喜び・・・
君に愛させている事・・・
それが一番の幸せ・・・
 
 

そして聞こえない様に快斗は小さく呟いた。
 
 

「大好きだ・・・」






佐倉井梢ちゃんより、誕生日の品、戴きました。
リクエストをさせていただきまして、ズバリ『青子の愛に骨抜きになった快斗』です。
か〜な〜り、舞いあがっております。
だって、アナタ。
「ね・・・・ねま・・・したぁ・・・・」ですよ!!
悶えずにはいられません!

ありがとうございましたvv