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『温もり』
カチャ…と、微かなドアの音で目が覚める。
「快斗、おはよう」
とある日曜の朝。自室の扉を開け、愛しい声とともに入ってくる温かさ。
それは、まだ触れていなくても感じる…『心』の温かさ。
「…まだ、寝てたの?」
「…ん…ねむ…」
まだ上瞼と下瞼が仲良しな彼の頬に、唇が触れた。
それは、『身体』の温かさ。
「昨夜も、大変だったもんね…」
髪の毛を撫で、優しい声で包み込む。
彼の心も、身体も、温かさで満たされてゆく。
漸く彼が瞼を少し開き、最初に目にしたのは…
愛しい彼女、ではなく…鉢植えだった。
「…あ…あおこ…???」
「えへへ〜。昨日早速買ってきちゃったの」
最初、起きたばかりで何のことやら…と思ったが。
先日のここでのやりとりが脳裏に浮かぶ。
「丁度ね、花屋さんで鉢植えが売ってたの。切花にしようかとも思ったんだけど…
鉢植えだと、来年も、その次も、また見れるでしょ??…花の数も幸せのラッキー7だったしv」
にっこり笑って快斗に差し出す。
「…花びらは枯れても、花は枯れないんだって。…ずっと、その想いは続いていくんだよ」
そう、優しく言う彼女は…先程彼を起こした時のように、とても穏やかで…温かかった。
「…ありがとな」
かけがえのない気持ちが、腕に…胸に溢れそうで。
思わず、そのまま抱きしめた。
その温かさを、守りたいと節に願いながら。
日ノ出さんより、一周年のお祝い小説をいただきました。
なんと、なかはらの駄文の続きですよ!
しかもイラスト付きです!
快斗のキモチを察して、お花をちゃんと見つけてきちゃう青子ちゃん。
貴女は偉い!
おねーさん(おばさんだろう/笑)は嬉しい!
またも海老で鯛どころか宝石釣りました!
ありがとうございましたvv